今回は、親知らずを抜くタイミングについて少しお話しをします。
親知らずは厄介なものというイメージがあるかもしれません。
若い頃、症状があって抜くように勧められたが、決心がつかず、今になって気になっているが、どうしたらよいだろうかと悩んでおられる中高年の方もいらっしゃるかと思います。
親知らずが正常な方向に生えていて反対側の歯としっかり噛み合っていれば、抜くことはないと考えられます。
しかし、斜めに生えている、顎の骨に埋もれて症状がある場合は悩ましいものです。
噛む上ではあまり支障はないが、将来トラブルが起きる可能性はあります。例えば親知らずがその手前にある第二大臼歯に接していると、間に細菌がはびこり、気づかないうちに慢性の症状が起こったり、歯周病が進んだり、第二大臼歯まで虫歯になったりする場合があります。
年齢を重ねると、抜くのが大変になっていきます。
難易度は埋もれている状態によって変わるし、歯の根の数や形の異常、根の周辺の骨の硬化なども影響します。
なかでも、炎症や加齢によって骨の硬化や癒着が進むと、抜くのが一層難しくなります。
さらには、抜歯をしたことで、近くを通っている神経に影響が出て、下唇のあたりに麻痺が生じるリスクもあります。
抜歯するか否か、判断する際にひとつの目安となるのが腫れや痛みを繰り返しているかどうかです。
また、歯科以外で使っている薬にも注意する必要があります。
脳梗塞や心筋梗塞などの治療で血液をサラサラに保つ薬を処方されていたり、骨粗鬆症や癌の骨転移があって薬を処方されていると、どう処置するかが変わってくる場合があります。
ご自身の年齢や痛みなどの症状、抜歯に伴うリスクなどを考え合わせて決めることが大切だと言えます。
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