歯肉の腫れと出血…スタッフブログ

こんにちは！
宇土院　歯科医師の吉川です。

歯肉の腫れと出血に悩まれている人は、意外と多いかと思います。

歯肉の腫れは、歯肉炎や歯周病によるものがほとんどの場合ですが、中には全身の病気や服用している薬の影響で起こることがあります。
健康な歯肉は、ピンク色で硬く、みかんの皮のようにブツブツしています。
歯肉は歯と歯の間に位置する歯間乳頭というところから腫れてくることが多いです。
汚れが溜まりやすいため、炎症が起こりやすい部位です。
歯間乳頭部の歯肉は、若い頃は歯と歯の接触点に向かって三角錐のようにシャープな輪郭になっています。

歯周病になると、最初はこの歯間乳頭部が腫れてきて、暗赤色になりブヨブヨしてきます。
晴れると歯周ポケットが深くなり、更に汚れ溜まりやすくなり、悪循環となります。
このあたりから、歯磨き時に出血が目立ってきます。

また、腫れ(歯肉の肥大)は、薬の副作用でも生じることがあります。
薬物性歯肉肥大、または薬物性歯肉増殖と呼ばれています。
副作用を起こす薬としては、痙攣を止める薬や免疫を抑制する薬が挙げられます。
また、一部の高血圧治療薬でも歯肉の肥大が起こることがあります。

肥大の程度は、軽いものから歯が隠れてしまうものまであり、大切なことは、歯肉の肥大は歯垢が多いと悪化する傾向があることです。
服用中の薬を変えることは簡単なことではないので、毎日のセルフケアが基本となり、定期的な歯科受診も大切で、歯周病の治療が必要となってくることもあります。
また、全身的な病気としては、白血病による歯肉の腫れがあります。
もちろん発生の頻度は高いものではありませんが、若い人で体調が優れず歯肉の腫れや出血がある場合は気をつけてほしいです。

前歯の歯肉は、観察がしやすいので、日頃から歯肉の状態に関心を持って観て下さい。
頻度は少ないですが、単なる歯周病とは別のところに原因があるかもしれません。普段から定期的に歯科受診をしていると心強いのではないかと思います。

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